生成AI利用率58.8%の日本。次に必要なのは「使ったこと」から業務変革へ進むこと
Keyro Academy · 2026-09-25 · 179 阅读
日本の利用経験率と、生成AIをDXへつなげる3段階
日本の生成AI利用は、この1年で急速に広がりました。総務省の令和8年版情報通信白書によると、生成AIサービスを使った経験がある人は、2024年度の26.7%から2025年度の58.8%へ増えています。
ただし、58.8%は日常的な利用率ではなく、「現在または過去に一つ以上の生成AIサービスを使った経験」の割合です。米国とドイツは75.6%、中国は93.6%でした。日本は差を縮めていますが、導入経験と業務変革は同じではありません。
日本は「文章生成」から先へ進めるか
日本で最も広がったのはテキスト生成AIです。白書の2025年度調査では、テキスト生成AIの利用経験は55.0%でした。一方、画像・動画生成は16.3%、プログラムコード生成は7.0%です。
年代差もあります。15〜19歳の利用経験率は91.7%、60〜69歳は33.5%でした。なお、2025年度調査から15〜19歳が対象に加わっているため、過年度との比較には注意が必要です。20歳以上に限った2025年度の日本の値は52.2%で、それでも前年から大きく伸びています。
重要なのは、利用者数だけを追うことではありません。文章の下書きや要約から、調査、設計、顧客対応、品質確認まで、どの工程をどう変えるかがDXの成果を分けます。
世界のアプリ市場が示す「数より用途」
a16zが引用した米国市場のカテゴリ別データでは、売上と利用時間の両方が大きく伸びた主要カテゴリは生産性でした。AIを付けたアプリが一様に成長したのではなく、仕事の流れに入る用途へ利用が集まっています。

図:a16z掲載、Sensor Tower推計(2026年9月15日時点)。提供された原画像を使用。
出典:a16z「Charts of the Week: So Many Apps, So Little Time」
海外では、AIを独立した画面として追加するだけでなく、既存の連絡や端末操作へ組み込む試みも進んでいます。たとえばInstinctは、メール、メッセージ、画面、音声、位置情報などへ接続し、電話やテキストから依頼できる個人向けアシスタントを掲げています。

図:Instinct公式サイトの説明画面。提供された原画像を使用。
これは特定製品の推奨ではありません。AIを「開いて質問する道具」から「仕事の途中で必要な処理を担う仕組み」へ変える設計例です。接続範囲が広いサービスでは、権限、個人情報、誤操作、監査記録も同時に確認する必要があります。
日本のDXに必要な3段階
1. 試用を、測定できる業務へ変える
「使ったことがある」で止めず、対象業務、所要時間、修正回数、エラーを記録します。議事録やメールだけでなく、頻度が高く判断基準を定義できる工程から試します。
2. 人が確認する境界を決める
AIに任せる入力、外部へ出してよい情報、承認が必要な出力を決めます。生成結果をそのまま顧客や取引先へ送らない運用も必要です。
3. 小さな成功を標準手順にする
個人の工夫で終わらせず、プロンプト、参照資料、確認項目、失敗時の戻し方を共有します。新しいツールの数より、再現できる手順の数を増やします。
人材不足の数字も前提を読む
経済産業省の調査では、2030年のIT人材需給ギャップは、生産性と需要の伸びによって約16万〜79万人と幅があります。「79万人不足」は高位シナリオであり、確定した人数ではありません。
IMDの2025年デジタル競争力ランキングで、日本は70地域中30位でした。知識は23位、技術は27位、将来への準備は39位です。AIの利用経験が増えた今、次の焦点は、現場で継続できる手順と組織能力へ移っています。
出典:IMD「Japan Digital Competitiveness 2025」
日本の強みを「品質」と呼ぶだけでは、差は縮まりません。利用者の課題を定義し、小さく検証し、結果を測り、運用へ組み込む。生成AIの普及をDXへ変えるのは、この地道な設計です。
出典確認日:2026年9月25日。統計の調査対象・設問・シナリオを確認したうえで利用してください。